水瀬いのり「Inori Minase LIVE TOUR 2023 SCRAP ART」スクラップアートツアーの意味

水瀬いのり情報

声優で歌手の水瀬いのりさんの2023年のライブツアー「Inori Minase LIVE TOUR 2023 SCRAP ART」が2023年9月17日〜10月29日にかけて開催され、無事完走しました。

スクラップアートツアーにどんな意味があったのか、私なりの解釈を書きました。

セットリスト(セトリ)とライブの振り返り

ざっくりとセットリスト(以下セトリ)とライブの様子を振り返ります。

1曲目にいきなりのツアータイトルになっているスクラップアートを歌唱。2曲目にidentity、3曲目にbrave climber or リトルシューゲイザーと、最初から激しい曲の連続。ツアータイトルになる曲はセトリの後半に入る印象があったので、1曲目にスクラップアートが来るのはかなり驚きました。また、水瀬いのりさんのライブのセトリは、1番目のゾーンで明るくて盛り上がる曲、2番目のゾーンでかわいい系の曲、3番目のゾーンでかっこいい激しい曲、4番目のゾーンで感動系の曲というふうに組まれがちなので、ライブの1番最初に激しい曲が来たのが予想外でした。

激しい曲ゾーンが終わると、マスコットキャラクターくらりをイメージしたかわいらしい衣装にチェンジして、かわいい系や恋愛系の曲を歌唱。1曲1曲の主人公やイメージを大事にしてライブを作っている印象で、がらっと雰囲気が変わりました。盛り上がる所は盛り上がって、しっとり聞く所はしっとりしていて、しっかりメリハリをつけている印象。

次は、TRUST IN ETERNITY、約束のアステリズム、Million Futuresなど激しい曲や、コール曲を歌唱し、盛り上がるゾーンでした。声出し解禁のコール曲は盛り上がりましたね。特に、約束のアステリズムとか3rdアルバムCatch the Rainbow!に入っている渋い曲で、胸アツでした!(サビのコールの音程が高すぎて一般人では発声できないけど…)アイオライトからクータスタの映像を混じえた演出も凝っていましたが、そこの考察や解釈は私より考察が得意な人におまかせします。

そして、Winter Wonder Wader(WWW1)、Well Wishing Word(WWW2)、While We Walk(WWW3)のいわゆるWWWシリーズ3部作すべて入った欲張りセット!WWWシリーズは、前世でお別れした2人が生まれ変わって再会するストーリーで、時系列はWWW2→WWW3→WWW1ではないかとファンの間で言われています。絵本の中からいのりちゃんが飛び出してWWW2を歌い、曲が終わるとバックスクリーンの絵本のページがめくられて次のページに行く演出を見て、WWW2→WWW3→WWW1の順で歌うことがわかった人も多いのでは?(私は初見ではわからなかった)

本編ラストは僕らは今。僕らは今は、2020年のライブツアー「We Are Now」のツアータイトルになっていましたが、2020年の感染症拡大のご時世の影響でライブは中止になりました。その後、2021年2022年のライブで披露されましたが、声出し禁止バージョンでした。今回が、コールありの僕らは今が完成した瞬間でした。

アンコールではめちゃくちゃファンサービス(ファンサ)をしてくれました。ファンサしすぎて歌詞を間違ういのりちゃんもかわいいですね。

セトリには、3rdアルバムCatch the Rainbow!の曲が多めに入った印象。ダブルアンコールもCatch the Rainbow!でしたね。

ざっくりとライブを振り返ったところで、私なりのスクラップアートの意味を述べていきます。

スクラップアート=glow以前の曲の再生

スクラップアートの言葉の意味は廃材芸術。

スクラップつまり不要になったもの、役目を終えたものをアートとして再生させる

水瀬いのりにとってスクラップとは何なのか?様々な答えがありますが、私が考える1つの答えは、

スクラップ = glow以前の曲と歌手水瀬いのりの活動

です。

水瀬いのりさんは、昨年2022年のアルバム、ツアーのglowから歌手としての方向性と歌い方を大きく変更しました。ざっくり言うと、glow以前の水瀬いのりさんは力強い歌声でみんなを引っ張る存在。ファンや多くの人が持つ理想に、水瀬いのりさん本人も答えようとしていました。だけど、それって自分らしくないと、自分を見つめ直したのがglowでした。glow以降の音楽の方向性は、水瀬いのりさんの自分らしさや、その時やりたいことを優先しているように見えます。歌い方も力強い歌い方から柔らかい歌い方に変わりました。喉の負担を減らすためとも言われていますね。

glow関連の記事を過去に色々書いているのでよかったらどうぞ

では、glowで生まれ変わった水瀬いのりさんにとって、glow以前の曲や活動は役目を終えた不要のものなのか?

役目を終えたglow以前の曲をアートとして再生させるのがスクラップアートの1つの意味だと考えています。

アルバムglowには激しい曲が1曲も入っていなくて、昨年2022年のglowツアーのセトリも激しい曲が少なめでした。コンセプトを貫いていて良いライブでしたが、「いのりちゃんにとって激しい曲は自分らしくないの?もう激しい曲を歌ってくれないの?」という不安に思うファンもいました。

今回のスクラップアートのセトリでスタートから激しい曲が連続したのは「もう激しい曲を歌ってくれないの?」に対する答えだったのだと私は考えています。今後も激しい曲を歌うし、glow以降の歌い方で激しい曲は新しいものに進化していました。歌い方は、glow以前の力強い声っぽく聞こえるけど喉にそんなに負担はかかっていない感じ?glow以前と以降の歌い方の中間の歌い方みたいな?brave climberなんかは2019年のCatch the Rainbow!ツアーの時は難しくて歌いきるのに苦労していた記憶がありますが、今回のツアーでは軽やかに歌いきっていました。

また、セトリに3rdアルバムCatch the Rainbow!の曲が多めに入っていましたが、2019年Catch the Rainbow!はglow以前の力強い歌声の全盛期。アルバムCatch the Rainbow!に入っている曲の歌詞を見ても「ボロボロになっても前に進め!」みたいなメッセージが多いです。ココロはMerry-Go-Roundとかメロディーは陽気なのに歌詞みると主人公ボロボロになっています。glowのコンセプトには無理せず自分らしくみたいなものもあるので、ボロボロのCatch the Rainbow!はglow以降の方向性と真逆とも言えます。あえてCatch the Rainbow!の曲を多めにセトリに入れてきたのは、役目を終えたCatch the Rainbow!をアートとして再生したいのだと私はとらえました。ダブルアンコールもCatch the Rainbow!だったし、スクラップアートツアーってぶっちゃけCatch the Rainbow!ツアーのリメイク版じゃないですか?Catch the Rainbow!は初の水瀬いのりさん本人作詞で「私の歌をみつけたよ」と言っているのに、glowで「今までの私は私らしくなかった」と言ったら、私の歌、みつかってなかったの?ってなるじゃないですか?スクラップアートはCatch the Rainbow!の救済だと思っています。

We Are Nowのリベンジ

僕らは今が、声出しありライブで完成しました。僕らは今は、中止になった2020年のライブツアー「We Are Now(WAN)」のツアータイトルになっていました。今回のツアーは声出し解禁ということで2020年のWANツアーのリベンジという意味合いも強かったです。WANをイメージしたフラワースタンドを出しているファンもいましたね。ファンの間でも、ここで僕らは今を完成させる気持ちが強かったです。

特に、福岡公演の北九州ソレイユホールはWANのリベンジとして意味のある場所でした。北九州ソレイユホールはWANツアーの会場になる予定でしたがツアーがWANツアーが中止になり、今回が水瀬いのりさんの北九州ソレイユホール初上陸だったのです。私は今回のツアーを、兵庫、愛知、福岡、神奈川2daysの5公演参加しましたが、福岡公演が1番満足度が高かったです。(完全に主観と独断と偏見です、すみません)チームいのり全体で、北九州ソレイユホールでWANのリベンジをしようという意識があったのか、3年間待たせた北九州のファンを楽しませようと頑張ったのか、パフォーマンスが1段階上だった気がします。(音楽の知識はゼロなので感覚だけでものを言っています、すみません)福岡公演のアンコールのいのりちゃんはテンションMAXで、いのりバンド全員に近づいて楽器を弾くマネをしたり、やりたい放題でした。また、ギターのじっじーさんが福岡出身というのは既出ですが、福岡の中でも北九州出身だということが発覚しました。MCがただの地元トークになっていたのが面白かったです。

(僕らは今について一言だけ言うと、ラスサビの「見える」がコールって知らない人多くないですか?いのりちゃんもあおってますよね?)

WWWシリーズ 柳館周平さんanniversary live

今回のセトリで一番印象的な部分は、WWWシリーズ3部作すべて通しで歌った所ではないでしょうか?

Winter Wonder Wader(WWW1)、Well Wishing Word(WWW2)、While We Walk(WWW3)はすべて柳舘周平さんが作曲していてWWWシリーズと呼ばれてファンから人気が非常に高いです。前世でお別れした2人が生まれ変わって再会するストーリーで、時系列はWWW2→WWW3→WWW1ではないかとファンの間で言われています。ライブでも時系列順で歌いました。

ツアータイトルになっているスクラップアートも、セトリ5曲目のクリスタライズも、柳舘周平さん作曲です。セトリのうち合計5曲が柳舘周平さん作曲です。実質、柳館さんのためのライブじゃないですか!?

WWWシリーズは離れ離れになった2人が再会するストーリーなので、ラブストーリーとして見ることもできるし、アイマイモコ→運命の赤い糸の流れとか結婚じゃん!今回のセトリは恋愛要素が結構入ってるんですよね。このライブ、実はいのりちゃんと柳館さんの結婚式なのでは!?って勝手に妄想していました。いのりちゃんと結婚したい人すみません。私は柳館さん側につきます。根も葉もない妄想です。すみません。何が言いたいかというと、柳館周平さんは神だということです。

ファンとの距離は近づいたが課題は残る

スクラップアートツアーのライブグッズのパンフレットにインタビューが載っており、「今回のライブはファンとの距離が遠いかもしれない」という発言がありました。実際、水瀬いのりさんが曲の主人公になりきって、ステージの仕掛けを最大限に使って曲の世界観を作っていくショーのようなライブでした。

それなのに、ファンとの距離感はいままでのライブの中で一番近いように感じました。

MCで本音を見せることが増えたからか?特に福岡公演では「1stライブの頃はミスしないでやりきるのに精一杯だったけど、今は素直にライブを楽しめるようになった」と言っていたのが印象的でした。ファンいじりもいつも以上にキレっキレだった気がします。特に愛知公演では、元気?なファンがいて「クラスの中心人物だったんだろうね笑」と斧のような発言で返していました。いずれにしても、素を見せることが多くなったのは嬉しい限りです。

幕間映像での発言ですが、「ファンのみんなの印象として、思慮深い方が多い。私の曲や発信に対して深読みしてくれる」と、いわゆるお気持ちツイート(今はポスト)に言及していました。めっちゃエゴサしてるやんw

アンコールではめちゃくちゃファンサしていましたね!1stライブやBLUE COMPASSツアーの頃はファンのこと見えてないんじゃないか?ってくらい壁があったのに、今ではファン1人1人の目を見てファンサするようになるなんて…赤飯を炊いてお祝いしたいです!(何様?)

いのりちゃんが自分からファンに歩み寄ってくれているってもう無敵やん!

ただ、ファンとの距離という面ではまだ課題が残るように感じました。アンコールでファンサしてくれるのは嬉しいのですが、ファンサに集中しすぎて歌詞が怪しい所がありました。いのりちゃんは優しいので、うちわとか作ってアピールしている人がいると全員にファンサしちゃうのでしょうね。ライブはナマモノなので歌詞ミスも宝物ですし、ライブの楽しみ方は人それぞれなのでうちわを否定しようとは思いません。ただ、水瀬いのりさんの曲を聞きに行くっていうのが第一にあるべきなのに、ファンサをもらってファン同士でマウントを取るみたいな風潮がちょっと強いのが気になりました。(私もいのりちゃんが近くに来たら「い゛のりー!!!」って暴れてアピールしてました、すみません)MCでも、いのりちゃんが何を言ってもオタクは「カワイーヨ」みたいな反応で、botみたいだなってちょっと思ってしまうことも… まあ、実際いのりちゃんを生で見るとかわいすぎて「カワイー」以外に思考が停止してしまうんですけどね。せっかくいのりちゃんがファンに歩み寄ってくれているのに、ファン側が思考停止すぎるというか。アーティストとして水瀬いのりさんがやりたいことと、アイドルっぽいノリのファンの不一致は以前から問題になっていますが、まだまだ課題として残っていますね。水瀬いのりさんは成長しているので、ファンも一緒に成長したいものです。 偉そうなことを言ってすみません。結局ライブは楽しむのが一番です。

まとめ

私がスクラップアートツアーから感じた意味は以下のとおり。

・スクラップアート=glow以前の曲の再生
・We Are Nowのリベンジ
・柳館さんanniversary live
・ファンとの距離は近づいたが課題は残る

他にも、声出し禁止期間でファンになった人には初の声出しライブですし、HELLO HORIZONのリベンジと見ている人も多いですね。MCで「生活環境が変わってこれが最後のライブの人もいるかもしれない」といろんな層への気遣いを忘れない所も素敵です。チームいのりの絆も深まって、みんなで完成させたツアーでした。あげればキリがありませんが、特に自分が印象に残ったことを書きました。水瀬いのりさんってすごい。

おすすめライブBD

最後におすすめライブBDを紹介します。今回のスクラップアートツアーは、過去のライブから変化の多いライブだったと思います。違いを楽しんでみてください。

Catch the Rainbow!

スクラップアートツアーのセトリには、Catch the Rainbow!の曲が多めに入っています。しかし、2019年のCatch the Rainbow!の頃と歌い方やパフォーマンスが同じ曲でも全然違うので、比較してみてください。2019年Catch the Rainbow!の頃は、glow以前の力強い歌い方の全盛期だと私は思っています。

Ready Steady Go! BLUE COMPASS

2017年1stライブReady Steady Go!と、2018年のライブツアーBLUE COMPASS。まだ観客との間に壁を感じます。この人見知りさんがファンサするようになり、自分からファンに歩み寄るなんて!この頃はこの頃で、一生懸命さが輝いていて魅力的です。

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