水瀬いのりさんの歌手活動10周年記念ライブツアー「Inori Minase 10th ANNIVERSARY LIVE TOUR Travel Record」。
私は今回、いわゆる足の長い人たちとして全8公演に参加しました。ツアーを通して感じたことを、自分なりに書き残しておこうと思います。
このツアーを一言で表すなら、テーマは「仲間」。水瀬いのりさん、いのりバンド、サポートチーム、そして私たちファンを含めた、チームいのりで作り上げたツアーでした。

仲間がいるよ!
シングルスプレイヤーから”チームいのり”へ
以前の水瀬いのりさんには、どこか“シングルスプレイヤー”の印象がありました。ステージにはいのりバンドがいて、目の前にはたくさんのファンもいるのに、どこか一人で歌っているような空気があったんですよね。もちろん、歌は昔からとんでもなく上手いのですが。
2018年の BLUE COMPASSツアー幕張公演の映像を見ると、その感じが特に分かりやすいです。観客とほとんど目が合わず、観客をかぼちゃだと思っているような少しおびえた様子で、客席との間に見えない壁があるような雰囲気でした。
2019年のCatch the Rainbow!ツアーでは武道館ライブを成功させたものの、目の肥えた一部のファンからは「水瀬いのりはまだ、ファンを信用していない」という感想もありました。この頃には“可愛らしい水瀬いのり像”とうまく折り合いをつけ始めていたものの、まだ素の部分が全部見えているわけではない、という印象があったのも確かです。
2022年、私は初めて水樹奈々さんの単独ライブを観たのですが、そこで感じたのが、「水樹奈々チームは、それぞれが主役級に生き生きしている。対して水瀬いのりさんはシングルスプレイヤーで、チームはいのりさんのためのチームになっている」という違いでした。どちらが良い悪いということはないですが、バンドやダンサーとの距離感に大きな違いがありました。
(※水樹奈々さんライブの感想は↓)
そんな、「能力は高いのにダブルスはからっきしなシングルスプレイヤー 越前リョーマ」みたいだった水瀬いのりさんですが、ここ数年は一気に変わってきました。いのりバンドやサポートチームと笑い合う姿が増えて、「仲良くなってる!」と思う瞬間が増えたのです。
特に昨年2024年は、初の女性メンバー・パーカッションの若森さちこさん(にゃんちーさん)が加入したのがきっかけか、一気にチームと打ち解けたように見えました。さらに、もう一人の新メンバーであるバイオリンの須磨和声さん(すまり)をいじる場面も増え、本当に“チームとして強くなった”という空気が伝わってきました。
そして迎えた2025年。歌手デビュー10周年の今年のツアーでは、ついに
「みんなもチームいのりのメンバーだよ」
と言ってくれて、ファンも含めた本当の意味での“チームいのり”を見せてくれたように感じています。
預言者 BLUE COMPASS 作詞 岩里祐穂さん
それにしても、ここまでの“水瀬いのりに仲間ができていく物語”、まるで BLUE COMPASS の歌詞そのままなんですよね。ファンの中には、BLUE COMPASSの歌詞解釈だけで数万文字の超大作を書いた猛者もいましたが…。私なりにあの歌詞をひと言でまとめると、
「ひとりで悩んでいた主人公が、仲間の存在に気づいて新たな船出をする」
という内容だと思っています。まさに今の水瀬いのりさんの歩みと重なるんですよね。BLUE COMPASS のリリースは2018年、つまりもう7年前。 作詞の岩里祐穂さん、預言者なんですか?…
“仲間”を強調する歌唱
今回のツアーで特に印象的だったのは、「ひとりじゃない」「みんながいる」といった“仲間”を思わせる歌詞を、いのりさんがいつも以上に力強く歌っていたことです。
中でも harmony ribbon の「大丈夫 もうひとりじゃないから」で、バンドメンバーの方を振り返って大きく手を広げたシーンは、特に好きなシーンです。
さらに、ココロソマリの「いつだって味方だった 見守ってくれたこと ありがとう」は、本来”親への感謝”の歌詞ですが、今回のツアーでのいのりさんの歌い方は、”ファンのみんなへの感謝“を歌っているようで、思わず心が震えました。特に北海道公演のココロソマリは気持ちの乗せ方が段違いでした。
いのりバンドの活躍
今回のツアー、いのりバンドにスポットが当たる場面も多かったです。私の推しポイントは まだ、言わないで。の時にノリノリなふっふーさん。そして、TRUST IN ETERNITY のラストで、じっじーさん・ドラちゃんのギターバトルに加わるバイオリンのすまりの後ろの暗がりで暴れているコタツです。
さらに、すまりへの猫ポーズいじりもすっかり定番化していて、カウンターで自分も猫ポーズさせられると分かっていてもやるいのりちゃん。本当は猫ポーズしたいツンデレさんなのかな?
新語・流行語大賞「足の長い人たち」
今回のツアーで生まれた新しい流行語が”足の長い人たち“。 意味は “地方公演まで遠征する人たち”、つまり複数公演に参加するガチファンのことです。 地方公演のMCでは、毎公演のように“足の長い人たち”の話をしていた気がします。これまでのMCでは、ライブ初参加の人や地元のファンがピックアップされることが多く、遠征組のガチファンはどちらかというと日の当たらないところで腕を組んで見ていた…そんな印象がありました。ところが今年のツアーでは一転して、遠征組のガチファンを“足の長い人たち”と呼び、親しげに話しかけるシーンが目立ちました。そして、「ツアーは足の長い人たちのおかげで成り立っている」と言ってくれた時は本当に嬉しかったです。
さらに愛知公演のMCでは、1stライブ参加者だけを立たせて、その中の何人かに話しかける“古参優遇イベント”も発生。「この界隈、古参はなにかと損をしがち…」と感じている人も多いと思いますが、そんな古参にスポットを当ててくれたのは驚きでした。正直、「ガチファンや古参のこと、いのりちゃんはあまり好きじゃないのかな?」と思った時期もありましたが、ここに来て急にデレてきた感じがあって……やっぱり、自分のことを好きでいてくれる人のことは好きなんじゃないですか!
あと、私も“足の長い人たち”として8公演回りましたが、今回私が一番好きだった公演は岡山公演です。Starlight Museum で、涙で歌えなくなったいのりちゃんを助けたファンの大合唱。ファンの一体感に思わず嬉し涙が出たとのこと。5年前の初披露で無観客だったことも思い出したのかもしれません。他にも、Ready Steady Go!でタオルを落としたり、最後にマニピュレータのあらちゃんを呼び忘れたりと、ドジっ子ないのりちゃんを見られるレアな公演でした。
ツアーを回りながら曲が成長
私も”足の長い人たち”の一員としていのりちゃんと一緒にツアーを回りましたが、特に今回はツアーや曲をみんなで育てたかんじがします。
まず、ハーフアルバムTurquoiseに収録された新曲たち。正直、初日の兵庫公演ではそこまで盛り上がらなかったけど、最終日までの成長が凄まじかったです。
夢のつづき
公演が進むにつれていのりちゃんがどんどんノリノリになっていき、ところどころでいのポが発生していました。
いのポとは、「いのり跳びポ」のことで、
「曲調的に跳びポじゃなくても、いのりちゃんが跳んだらそこが跳びポになる!」
現象です。(跳びポからわからない人は↓の記事を参照)
夢のつぼみ のラストの「背が少し伸びた影」で背伸びポーズのジャンプをするのは定番ですよね。そして、3公演目の福岡公演で、夢のつづき のラスト「背伸びた影明日へ」でも、いのりちゃんが背伸びポーズジャンプ! いのポがはじめて発生しました!
この動きに気付いた”足の長い人たち”は次の公演から、夢のつづき の「背が伸びた影」で一緒にジャンプしようとするのですが、次の公演ではなんと「背が少し伸びた影」ではなく、その前の「届け」でいのポ発生。
「そっちかい!」といのポに振り回される”足の長い人たち”。
そして、最終日横浜2日目では「届け」「背が少し伸びた影」の両方2回でいのりちゃんがジャンプ。ただし「背が伸びた影」の”影”ではなく、「背が伸びた」で跳ぶフェイント付き。私は8公演参加した歴戦の”足の長い人たち”なので、最終日はフェイントに騙されず2回いのポを決めました!今年のツアー、満足です。
Turquoise
ツアー前の生放送で、いのりちゃんが直々に「コールとクラップしてください」と言っていた曲ですね。
最初の方の公演は、クラップが全然揃わない… でも気持ちが先走っちゃうのは仕方ないところ。後半の公演になるほどクラップもだんだん揃うようになってきて、コールの声も大きくなってきて、目に見えて”育っていった曲”という印象。
Turquoise でもいのポ発生。前奏overtureの Calling Blue から Turquoise がはじまる所でいのりちゃんがジャンプ。さらに、ラスサビ前の「さぁ、また今日をはじめよう ドン!」の”ドン!”でもジャンプ。この2回です。Turquoise でジャンプするいのりちゃん、打点が高くてめっちゃ楽しそうで、本当に好きです。
ただ、Turquoise をアンコールのトロッコ曲にしたセトリには納得がいっていません。みんなでコールして完成する曲なのに、トロッコでファンサしながら歌う形だと一体感が薄れてしまいます。とはいえ、overtureがある以上、セトリの一番最初か、幕間映像など一息ついたタイミングの直後くらいしか入れどころがなく、そこに入れるしかなかったのはわかりますが…。
まだ、言わないで。
櫻澤ヒカルさん天才楽曲。バンドメンバー、特にふっふーさんがいい動きをしているのに、4公演目くらいで気づきました(遅すぎ)。バンドメンバーの動きまで見るとマジで飽きない。
アニバーサリー
ライブで聞いて、一番化けた曲という印象でした。CDで聞いた時は正直、アルバムの他の曲の癖が強いせいもあって、アニバーサリーはその中では“普通の曲”という印象だったんです。でも、ライブで花道を歩きながら、ファンに囲まれて伸びやかに歌ういのりちゃんは、とにかく眩しいくらいに輝いていました。
NEXT DECADE
曲調が特殊で、ノるのに一番苦労した曲。会場を見渡しても、ペンライトの振り方が本当にみんなバラバラでした。というのも、楽器は速いテンポで進んでいるのに、歌は伸ばす歌い方なので、「楽器に合わせるべきか、歌に合わせるべきか」まじでわからない。8公演行ったけど、私は最後までコイツを完全攻略できませんでした。
曲のメッセージは“水瀬いのりの内面の変化”を描いている感じで、クータスタ に近い印象。ライブ演出も クータスタ に似ていて解釈一致。
My Orchestra
アルバムの中で一番好き。Innocent flower の進化系。水瀬いのりさんのバラードの表現力は圧倒的。セトリの本編ラストとかに置いてもいい曲なんじゃないかな。ラストの「紡ぎ合う」で小指立ててる?近い席を引けなかったのでよく確認できませんでした…
海踏みのスピカ
藤永龍太郎さんらしい、わかりやすく盛り上がるタイプの曲。とはいえ初日はまだ控えめな雰囲気で、公演が進むにつれてサビで跳ぶ人が出てきたりと、徐々に熱量が高まっていった印象です。
ラスサビは“ファンが歌うパート”らしく、いのりちゃんも「歌って」のジェスチャーをしていました。ただ、気付いた人はあまり多くなかったかもしれません。この界隈はライブ後に「近くで歌ってる人がいて不快だった。お前の歌を聞きに来たんじゃない」といったSNS投稿をよく見かけるので、声を出すのは結構勇気がいります。 1公演だけ、いのりちゃんが実際に声に出して「歌って」と促した回がありましたが、できれば全公演で言ってほしかったです。それと、歌詞が難しいので、後ろのモニターに表示してくれたらもっと歌いやすかったなと思います。
それと今回のツアー、既存曲もまだまだ伸びましたね。8公演まわったのに全然飽きませんでした。
ココロソマリ
上でも書いた通り、この曲は“親子愛”だけでなく“ファンへの感謝や愛”を込めた歌い方に変化していて、新しい解釈が生まれました。まさかリリースから5年経って、まだここまで化けるとは…。特に北海道公演の「いつだって味方だった 見守ってくれたこと ありがとう」は鬼がかっていました。
HELLO HORIZON
2022年の glow ツアー仙台公演で、いのりちゃんが突然「サビの ハローイエス! をコールしてほしい」と言い出したことがありましたが、唐突すぎてほとんど定着していませんでした。しかし、今年のツアーを回る中で、少しずつコールをする人が増えていき、終盤の公演では、いのりちゃんもコールのタイミングでマイクを客席に向けて、完全に任せていましたね。
スクラップアート
ラスサビ前の「アイを識る」のコール、愛知公演で客席の声が会場中に響き渡っていたのは本当に痺れました。この曲のコーラス部分「アイを識る」とか「どうしてここにいるの」などをコールするとめちゃくちゃ楽しい、ということに今年になってやっと気づきました。ラスサビの「鉄屑の」跳びポはすっかり定着しましたが、コールもぜひ流行らせていきたいですね。
思えば、2023年のSCRAP ARTツアーで初披露されたときは、セトリの一番最初で、いのりちゃんがフード姿で登場し「どうしてここにいるの~」と歌い始め、みんな困惑しながら聞いていたのを覚えています。そこからの成長幅がとんでもない曲です。YDは神。
harmony ribbon
上でも書きましたが、「大丈夫」でサムズアップしたり、「もうひとりじゃないから」でバンドメンバーやファンに向かって大きく手を広げたり、「踏み出してた一歩」で力強く足踏みしたりと、歌いながら入るフリが公演を重ねるほどどんどん力強くなっていきました。
そして、1stライブではラスサビの「叶えたい」で銀テがバーンと飛ぶ演出があったのですが、このタイミングを“跳びポ”だと思っている、いわゆる1stライブの亡霊みたいな人たちが一定数いたんですよね。ところがツアー終盤の愛知公演から、いのりちゃん自身がこの“銀テバーン跳びポ”を煽るようになったのです。いのりちゃんが煽ったということは、もう“銀テバーン跳びポ”は公式認定。1stライブの亡霊は救われました。
フラーグム
ラスサビの「つぼみは花開いて」で、いのりちゃんがターンするので、それに合わせて回るとめちゃくちゃ気持ちいいと友達から聞いて、私はフラーグム つぼみターンに挑戦していました。
ところが、千秋楽・横浜2日目では、いつもターンしていたその箇所で、いのりちゃんがまさかのジャンプ。私はいつも通りターンしていたので、現場では観測できず……。
ファンが“ここでこれをやる”と準備している時に限って、急に別のことをしてくる… まるで気まぐれな猫みたいないのりちゃん。まだまだ攻略できないし、だからこそ目が離せないッ…
距離近すぎじゃね?
記事の最初にも書きましたが、今回のツアーで一番の収穫は、“いのりちゃんとファンとの距離が近くなった”ことです。大事なことなので、2回言わせてください。
それにしても、今年のいのりちゃん、ファンと距離近すぎじゃね?
突然話しかけてくる山の怪異
MCでめちゃくちゃ話しかけてくるし、前の方のお客さんに突然「バイト何してるの?」なんて聞きはじめたりしていました。少し前までは、そもそもファンと全然目が合わなかったのに……。距離感、”めっちゃ遠い”か”めっちゃ近い”の二択なの?人との距離をはかるのが苦手なタイプなんですか? いのりさんははかれない。
もちろん、心を開いてくれて距離が縮まったのはすごく嬉しい。でも急すぎて、なんか「山の怪異が、おーい おーいって山から降りてきている」みたいな妙な感覚すらありました。
観光先でも
さらに、ライブ以外、遠征先での観光でも変化がありました。
いのりちゃんが、遠征先でいのりバンドと一緒にライブ会場付近の観光地をまわっていた、とラジオで話していました。まず、この”バンドと観光”という時点で大きな変化。バンドメンバーと本当に仲良くなったんだなぁと、ほっこりします。
そして何より、ライブ会場付近の観光地にはファンがたくさんいるはずなのに、自分からそういう場所へ行くなんて、少し前では考えられなかったこと。昔は「プライベートの私を見かけても声をかけないでください」と言っていたのに、心境の変化があったのでしょうか。
なのに、誰も “いのりちゃん本人” を見つけられない謎
「観光してたら近くにファンの人いたんだけど、全然気づかれなくてw」
いのりちゃんがラジオで、ライブ会場付近で観光した話をするのですが、本当に見つからない。これだけ自分から近づいてきてくれているのに、実際に街でいのりちゃんに会ったという話を、少なくとも私はまだ聞いたことがありません。遊ばれている感じすらします。
友達に「観光中、いのりバンドに遭遇した」という人がいました。でも、その週のラジオで「ライブ翌日はいのりバンドと観光した」と言っていたので……
友達、絶対いのりちゃんも近くにいたはずじゃん?
でも友達は「いのりちゃんには全然気づかなかった」そうです。
そこまで近くにいるのに姿が見えない……透明人間なのか??
近づくと逃げるのに 離れると淋しい 猫みたいな距離感のいのりちゃんです。
推しが“近くにいるかもしれない”というだけで遠征が10倍楽しい
とはいえ、ライブ遠征の観光中に「もしかしたら、いのりちゃんが近くにいるかも」と思うと、ワクワクして観光が何倍も楽しくなります。ライブの3時間以外にも楽しみが増えるわけで、遠征の交通費なんて全然安いですよね。もちろん、いのりちゃんは芸能人なので、狙って会おうなんて絶対しません。ただ、“かもしれない”と妄想してワクワクするだけなら自由。
いのりちゃんは嫌なことは嫌だとハッキリ言える人
あと、改めて思ったのは、“いのりちゃんは嫌なことは嫌だとハッキリ言える人”だということです。
今回のツアーでは、「次の曲が最後の曲です」「えー」というお決まりの流れに対して、新曲“まだ、言わないで。”にかけて、ファンの間で「えー」の代わりに「まだ、言わないで!」を流行らせようという動きがありました。
岡山公演でそれに気付いたいのりちゃんは、
「それ面白いと思って一生懸命考えてきたんだね?かわいいねぇw」
と、ちょっとイジるような、最高のリアクションをしてくれました。ただ、どこか腑に落ちない様子で「持ち帰らせていただきます」と一旦保留に。
そして次の公演。ファンが同じように「まだ、言わないで!」と言うと、
「次の曲、一生懸命作った曲なのに聞きたくないんだ…」
と、ハッキリNOを出してきたのです。
今回の「まだ、言わないで」はいのりちゃん的にNGでしたが、逆にいえば、面白くないと思ったことはちゃんとNOと言ってくれるという安心感があるので、これからもファンとしてどんどん色んなアイデアを投げていいんじゃないかなと思っています。観光中に”もしかしたら、いのりちゃんが近くにいるかも”と妄想するのも、もし本人がNOと言ったらやめればいいだけの話です。
最終回感がない ANNIVERSARY
“仲間”の話以外で話しておきたいのが、
10周年記念ライブなのに、いい意味で軽く、最終回感のない”ANNIVERSARYだったこと。
11年目も、いのりちゃんが当たり前のように歌い続けている未来が自然と想像できて、すごく安心させられました。
MCでも、
「どうしてもセトリに入れられない曲があったけど、でも来年もライブすればおっけー」
と自信に満ちた言葉もありました。いのりちゃんはどちらかというとネガティブな発言が多い印象だったので、本当に強くなったんだな、という気持ちになります。
実際、人気曲なのにベストアルバムにもセトリにも入らなかった曲、ありますよね。コイセヨオトメとか、Winter Wonder Wanderとか。
さらに、ライブ後の誕生日生放送では、
「上手くいかなかったところもたくさんあったから、次はもっと上手くやりたい」
と語っていて、客側から見たら最高のライブだったのに、本人はとんでもなくストイックで、まだまだやる気満々!
本人いわく、まだ歌手として“やりたいことがたくさんある”とのこと。そのひとつが野外ライブ。
北海道公演のMCで「野外ライブやりたい」と口にした瞬間、嬉しすぎて思わず叫んでしまいました。
少なくとも、野外ライブが実現するまでは絶対に歌うのをやめないと思っていいんじゃないでしょうか。もちろん私も、野外ライブが実現したら全力で行きます!
セトリ
最後に、今回のセトリについて少し考察してみます。
M1.夢のつぼみ
M2.まっすぐに、トウメイに。
M3.Ready Steady Go!
M4.Catch the Rainbow!
M5.春空 or Wonder Caravan!
M6.アイマイモコ
M7.まだ、言わないで。
M8.アニバーサリー
M9.My Orchestra
M10.Starry Wish
M11.スクラップアート or アイオライト
M12.NEXT DECADE
M13.海踏みのスピカ
M14.TRUST IN ETERNITY
M15.BLUE COMPASS
M16.Starlight Museum or ココロソマリ
M17.harmony ribbon
M18.Innocent flower
En1.Calling Blue → Turquoise
En2.メドレー(Million Futures, HELLO HORIZON, REAL-EYES, フラーグム, heart bookmark, glow)
En3.夢のつづき
Den.僕らは今
1stライブと5周年無観客ライブのオマージュ
まず、1stライブと5周年無観客ライブのオマージュが随所に入っているのが粋でした。
開幕が「夢のつぼみ」で、本編ラストが「Innocent flower」。これは1stライブと同じ構成。さらに、玉の中から登場する演出まで1stと同じで、初見のときはテンションが上がりすぎて思わず叫んでしまいました。
そして、誰かが言っていた「同じ登場の仕方だけど、今回のほうが立ち方がちょっとオッサンっぽい」という感想が結構好き。堂々としていて自信を感じさせつつ、いのりちゃんらしいサバサバ感も残っている。自分らしさを失わずに、でも強く成長した姿に、胸が熱くなりました。
また、4着目のドレスでの「BLUE COMPASS → Starlight Museum」の流れは、5周年無観客ライブへの明確なオマージュ。特に「BLUE COMPASS」の紗幕演出はそのままで、今回はファンの前で実際に見られたのが感無量でした。(ちなみに私は友達に言われるまで気づかず、「にわか」と散々いじられました…)
さらに、本編ラスト1つ前に「harmony ribbon」を置いたり、アンコール2曲目をメドレーにしたのは、多少強引さがあるものの、「どうしても歌いたかったんだな」という気持ちが伝わってきて、私は好きです。
ライブの表題曲の中でも特に重要な、「夢のつぼみ」、「harmony ribbon」、「Innocent flower」、「BLUE COMPASS」を“特等席”に配置してあって、全体的な満足度はとても高かったです。
ただ、私が個人的にちょっと気になった点も少しだけあって… 新曲の扱いがやや軽めかな…。表題曲4曲が強すぎるので、新曲を中心に据えるのが難しいのはわかるのですが……。個人的には、「BLUE COMPASS → Turquoise」の流れが実現していたら、ストーリー的に相当きれいだったのでは、と少し思っています。
BLUE COMPASS:「ひとりだと思っていた主人公が、小舟で大海原に漕ぎ出す」
Turquoise:「仲間とともに、俺たちの船で新世界の海へ漕ぎ出す!」
という感じで、みんなでこの海のどこかにあるひとつなぎの大秘宝を取りに行こうぜ!
また、新曲「My Orchestra」が分かりやすく「Innocent flower」の進化系なので、ここでも何かしらリンクさせた構成があれば面白かったかな、と少し期待していました。
全体像としては“王道セトリ”
今回は久しぶりに
パート1:盛り上がる曲
パート2:可愛い曲
パート3:激しい曲
パート4:大団円の曲
という王道構成のセトリでした。ファンみんなで盛り上がりやすい、安心感のある流れ。
ただ、個人的な好みは、去年の「heart bookmark」やアコースティックライブのような、いのりちゃん自身が考えた“予想できないセトリ”のほうが好きだったりします。
まとめ
2025年の水瀬いのりさんの10周年ライブツアー、改めて完走おめでとうございます。
今回のツアーを通して強く感じたのは、いのりちゃんには仲間がいる、ということでした。いのりバンド、サポートチーム、そして私たちファンを含めた、まさに“チームいのり”で作り上げたツアーだったと思います。
そして、水瀬いのりはまだまだ旅の途中。
来年の11年目も、その先の10年も、さらに何十年先も、
そんな未来を自然に想像させてくれるツアーでした。
また、10月からの約2か月間、毎週各地を飛び回った“足の長い人たち”のみなさん、本当にお疲れさまでした。とても楽しいツアーでしたが、私はおじいちゃんなので正直くたくたです。きっと来年もツアーがあると思うので、それまでに体力をつけたいと思います。
では、どこまでも君と一緒に。



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